リライト①~初見の感想~ [リライト]
今回から何回になるかはわかりませんが、リライトの内容に触れていきます。
全体像でも述べたとおり、リライトという本に書かれている内容はReシリーズにおいて実際に起きたことではありません。
しかし、今後この本の内容、またこの本自体がリビジョン以降のReシリーズの内容に登場するため、しっかり理解しないとついていけなくなります。
今回は初見の印象や感じたことなどを述べるだけにして、内容について深く言及せず、次回から掘り下げていこうと思います。
それでは今回の目次です。
1・あらすじ
2・一九九二年①を読み終わったときの感想
3・同窓会の内容
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1・あらすじ
↓この表紙を見る限り、あの細田守監督の「時をかける少女」に似た雰囲気を感じ取り、「青春物語なんだろうな…」と想像した方もいらっしゃるかもしれません。
私も初めはそう思っていたのですが、背表紙に書いてあるあらすじからは不気味な予感を感じ取りました。
本の背表紙に書かれているあらすじをそのまま載せます。
過去は変わらないはずだった―
1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。
2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。
彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ…
しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。
不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき…
SF史上最悪のパラドックスを描く第1作。
(リライト 背表紙より)
おそらくこのあらすじを読んで惹かれた方も少なくないのではないかと思います。
不気味な予感はほんの少しだったのですが、帯に書かれた文章がその不気味さを決定付けました。
SF史上最悪のパラドックス
その完璧にして無慈悲な収束
最悪で無慈悲な内容が青春物語にはならないよな…とここで確信しました。
2・一九九二年①を読み終わった後の感想
リライトを手に取って読み進めていき、最初に不審に思う点はこの一九九二年①の章を読み終わったときだと思います。
二〇〇二年①において石田美雪が、7月4日に保彦からこの時代に来た理由などの説明を受ける、と簡潔に過去を振り返っています。
そして次の章、一九九二年①でそのシーンが書かれており、前の章より詳しく会話の内容などが書かれています。
この章が終わりまで近づいたとき、読者は「美雪と保彦はそんな話をしたのか…」と感慨深く思うかもしれませんが、最後の4行でこの章を頭からひっくり返されます。
自分のことを桜井と言うのです。
主人公が変わった?美雪の苗字って桜井だっけ?言い間違い?などさまざまな疑問が湧いて出てくるかもしれませんが、美雪とは完璧に別人です。
次の章の二〇〇二年②ではまた目線が美雪に変わっていますし、美雪の苗字は石田ですし、そもそも桜井と初めに言ったのは桜井本人ですから言い間違いではないとわかります。
さらに読み進めていくと一九九二年の章は目線がすべて美雪ではないことに章の途中で気付きます。
これは初めて読んだ際に最も困惑する点であると思います。
この描写がリライトの不気味さを助長していると言っても過言ではないと思います。
当たり前だと思っていることを否定されたときに、人は不気味さを感じると私は考えます。
後で説明しますが、クラスメートは10年前の自分が来なかった、その恐怖に突き動かされて同窓会に参加するのですが、読者も同様です。
読者は過去の章ごとに目線が変わっている、その不気味さ、その恐怖に突き動かされてページを捲り、同窓会で語られる真実を待ち望んでいるのです。
3・同窓会の内容
2002年8月31日にN中学校二年四組の同窓会が開かれます。
ここで茂が語る内容が今まで読み進めてきたリライトの内容の真実なのですが…
初見ですべてを理解できる人は少ないでしょう。
大多数の感想は大雑把には「よくわからなかったけど、とにかくすごい」だと思います。
少なくとも私はそうでした。
今ここで述べるのは「初見でどう思ったか」なので、思ったままを述べようと思います。
まず、友恵の持っていた「時を翔ける少女」が書き直されたという点。
そしてカラオケ店での茂の演説。
美雪だけが知っていると思っていた未来人の転校生のことはクラスメート全員が知っていたという点。
保彦は美雪以外のクラスメート全員と先生に同じ物語を体験させるためにタイムリープを繰り返していたこと。
友恵が保彦を手に入れるために計画し、タイムリープの薬を10年前に使わずに今までとっておいたこと。
最後、友恵がリライトを引き起こすためにタイムリープの薬を使って10年前の自分の部屋に「時を翔ける少女」を置きに行こうとする点。
衝撃だったのはこれらの点でしょうか。
最初の「時を翔ける少女」の書き直しされた内容は自分が手にしている本であるリライトにも書かれており、さらに123ページという点も共通しています。
次の保彦の正体をクラスメート全員が知っていて全員が同じ物語を体験した、という点は一九九二年の章で目線が変わっているという伏線の回収です。
友恵の計画は複雑でこの時点では理解できませんでしたが、とにかく旧校舎崩壊事故で薬を使わなかったという点が衝撃でした。
後々この重要性に気付くのですが、「自分の部屋に小説を置きに行く」という行為自体が「リライトを引き起こす」という意味なのだと考えています。
この他にも色々と疑問に思った点はあるのですが、今回はこのくらいにしておきます。
あまり一気にたくさん問題提起しても追いつかないので。
次回は時系列を整理します。
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全体像でも述べたとおり、リライトという本に書かれている内容はReシリーズにおいて実際に起きたことではありません。
しかし、今後この本の内容、またこの本自体がリビジョン以降のReシリーズの内容に登場するため、しっかり理解しないとついていけなくなります。
今回は初見の印象や感じたことなどを述べるだけにして、内容について深く言及せず、次回から掘り下げていこうと思います。
それでは今回の目次です。
1・あらすじ
2・一九九二年①を読み終わったときの感想
3・同窓会の内容
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1・あらすじ
↓この表紙を見る限り、あの細田守監督の「時をかける少女」に似た雰囲気を感じ取り、「青春物語なんだろうな…」と想像した方もいらっしゃるかもしれません。
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私も初めはそう思っていたのですが、背表紙に書いてあるあらすじからは不気味な予感を感じ取りました。
本の背表紙に書かれているあらすじをそのまま載せます。
過去は変わらないはずだった―
1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。
2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。
彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ…
しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。
不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき…
SF史上最悪のパラドックスを描く第1作。
(リライト 背表紙より)
おそらくこのあらすじを読んで惹かれた方も少なくないのではないかと思います。
不気味な予感はほんの少しだったのですが、帯に書かれた文章がその不気味さを決定付けました。
SF史上最悪のパラドックス
その完璧にして無慈悲な収束
最悪で無慈悲な内容が青春物語にはならないよな…とここで確信しました。
2・一九九二年①を読み終わった後の感想
リライトを手に取って読み進めていき、最初に不審に思う点はこの一九九二年①の章を読み終わったときだと思います。
二〇〇二年①において石田美雪が、7月4日に保彦からこの時代に来た理由などの説明を受ける、と簡潔に過去を振り返っています。
そして次の章、一九九二年①でそのシーンが書かれており、前の章より詳しく会話の内容などが書かれています。
この章が終わりまで近づいたとき、読者は「美雪と保彦はそんな話をしたのか…」と感慨深く思うかもしれませんが、最後の4行でこの章を頭からひっくり返されます。
自分のことを桜井と言うのです。
主人公が変わった?美雪の苗字って桜井だっけ?言い間違い?などさまざまな疑問が湧いて出てくるかもしれませんが、美雪とは完璧に別人です。
次の章の二〇〇二年②ではまた目線が美雪に変わっていますし、美雪の苗字は石田ですし、そもそも桜井と初めに言ったのは桜井本人ですから言い間違いではないとわかります。
さらに読み進めていくと一九九二年の章は目線がすべて美雪ではないことに章の途中で気付きます。
これは初めて読んだ際に最も困惑する点であると思います。
この描写がリライトの不気味さを助長していると言っても過言ではないと思います。
当たり前だと思っていることを否定されたときに、人は不気味さを感じると私は考えます。
後で説明しますが、クラスメートは10年前の自分が来なかった、その恐怖に突き動かされて同窓会に参加するのですが、読者も同様です。
読者は過去の章ごとに目線が変わっている、その不気味さ、その恐怖に突き動かされてページを捲り、同窓会で語られる真実を待ち望んでいるのです。
3・同窓会の内容
2002年8月31日にN中学校二年四組の同窓会が開かれます。
ここで茂が語る内容が今まで読み進めてきたリライトの内容の真実なのですが…
初見ですべてを理解できる人は少ないでしょう。
大多数の感想は大雑把には「よくわからなかったけど、とにかくすごい」だと思います。
少なくとも私はそうでした。
今ここで述べるのは「初見でどう思ったか」なので、思ったままを述べようと思います。
まず、友恵の持っていた「時を翔ける少女」が書き直されたという点。
そしてカラオケ店での茂の演説。
美雪だけが知っていると思っていた未来人の転校生のことはクラスメート全員が知っていたという点。
保彦は美雪以外のクラスメート全員と先生に同じ物語を体験させるためにタイムリープを繰り返していたこと。
友恵が保彦を手に入れるために計画し、タイムリープの薬を10年前に使わずに今までとっておいたこと。
最後、友恵がリライトを引き起こすためにタイムリープの薬を使って10年前の自分の部屋に「時を翔ける少女」を置きに行こうとする点。
衝撃だったのはこれらの点でしょうか。
最初の「時を翔ける少女」の書き直しされた内容は自分が手にしている本であるリライトにも書かれており、さらに123ページという点も共通しています。
次の保彦の正体をクラスメート全員が知っていて全員が同じ物語を体験した、という点は一九九二年の章で目線が変わっているという伏線の回収です。
友恵の計画は複雑でこの時点では理解できませんでしたが、とにかく旧校舎崩壊事故で薬を使わなかったという点が衝撃でした。
後々この重要性に気付くのですが、「自分の部屋に小説を置きに行く」という行為自体が「リライトを引き起こす」という意味なのだと考えています。
この他にも色々と疑問に思った点はあるのですが、今回はこのくらいにしておきます。
あまり一気にたくさん問題提起しても追いつかないので。
次回は時系列を整理します。
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