リビジョン①~全体像~ [リビジョン]
今回からリビジョンの考察に入ります。
考察と言いましてもリライトのような複雑な物語ではないので、どちらかというと情報整理のほうが正しいかもしれません。
Reシリーズ全体からすると、リアクトやリライブの考察のために事実を再確認するという感じです。
今回は最初なので大まかな事実確認をしていきます。
目次です。
1・物語を一言で表すなら
2・おまかな流れ
3・『リビジョン』とは
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1・物語を一言で表すなら
物語を一言で表すのは難しいことですが、その一言を念頭において本を読むことでさらに楽しめると個人的には思っています。
リビジョン単体の物語を一言で表すなら、私は裏表紙にも使われている言葉を使って
我が子を救うための母親の狂気的な愛
と表します。
一応、リライトとリビジョンは単体でも読める本なのでこの狂気的な愛を楽しむのも良いかもしれません。
しかし、私はReシリーズ全体を通して楽しみたいので、Reシリーズにおける一言、すなわちテーマを定めます。
それは
保彦誕生の秘密
です。
シリーズを通して時を越えることができる力を持った人間がどのように生まれたのか、興味深い内容です。
2・おおまかな流れ
次回から少しずつ内容に触れていくとして、今回は大まかな流れを把握しておきたいと思います。
保彦が高熱を出す
↓
教会で未来の自分に出会う
↓
峠で過去の自分に出会う
↓
坂口霞の回想
↓
保彦を廻って過去へ飛ぶ
↓
その後
大きな出来事を書き出してみました。
保彦が死ぬ未来をビジョンで見た霞が死なない未来にするために過去を変えようと奔走する姿が書かれています。
保彦が高熱を出した理由は坂口霞の回想で説明されています。
教会で未来の自分のビジョンを見たときは、未来の自分から見て、過去の自分(現在の自分)が指輪を歪ませて縛ることで未来を確定させました。
峠での過去の自分とのビジョンのときは、危うく過去の自分によって現在の自分が書き換えられるところでしたが、もう一人の霞のビジョンの介入によって防がれました。
坂口霞の回想では書店に保彦と桜井が小説を探しに来たときに起こった出来事について書かれています。さらに、大地震が起きた原因についても別の視点から書かれています。
その大地震の影響により、1000年前に飛ばされた保彦を取り戻しにいく場面がその次に書かれています。
最後に次のリアクトに繋がるようなエピローグがあり、幕を閉じます。
霞の手鏡でできるビジョンは未来を見ることができると言われていましたが、途中で時間がループするものであれば未来を見ることと過去を見ることは同じであるということで過去を見ることもできるそうです。
正確にはビジョンは過去を見ることができるものですが、時間がループするものであるなら未来を見ることと同じなので未来が見える、という説明のほうが正しいです。
坂口霞の回想の際に保彦と桜井が静岡の書店に行く描写があり、「リライトでこんなシーンはなかったはずでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、リライトの記事でも述べたようにリライトは実際に起きた事柄ではないので、このリビジョンで書かれているほうが実際に起きたことになります。
3・『リビジョン』とは
『リライト』とは過去の書き直しのことであり、友恵が2002年から1992年にタイムリープをして「時を翔ける少女」を置きに行く行為のことでもあります。
では今回の作品のタイトルでもある『リビジョン』とは何なのでしょうか。
まず『ビジョン』とは、霞の持っている手鏡を使って未来を見る行為のことです。
そして『リ』は反対の意味を表す言葉です。
直訳だと「反対の未来を見る行為」になりますが、そういう意味ではありません。
そもそも作中で『リビジョン』という単語は2回しか出てきません。
リライトではリライトという単語が何回も出てきた分、少なすぎて逆に違和感を覚えます。
リビジョンという単語が出てきた際にその意味を説明していましたが
ビジョンで見たものが間違っていたから、その結果を見せる
という説明でした。
これだけでは理解しにくいと思います。
ビジョンで見たものが間違っていた、というのは現在の世界のまま時が進んでいっても未来がビジョンで見たものにはならないので間違っている、という表現をしているのだと考えます。
未来を変えるには現在を変える必要があります。
坂口霞の回想内で起こったリビジョンというのは、鏡を見ている現在の状態のまま時が進んでも鏡の中のビジョンにならないため、現在が変化したということになります。
つまりリビジョンというのは
ビジョンの内容を正当化するために現在が変化すること
であると考えられます。
リビジョンというタイトルの割にはビジョンという行為のほうが多いので、なかなかリビジョンの意味がわからないかと思います。
次回は今のところ登場人物をまとめたいと思っています。
私の初見のリビジョンの感想は「あまり面白くない」でした。
リライトの衝撃がまた味わえるのかと思いながら期待して読んだのでそうだったのかもしれません。
しかし、リアクト、リライブを読んだ後にリビジョンの大切さがわかりました。
Reシリーズという1つの作品にとっては、リビジョンは大きな土台となると思っています。
これからの考察のためにしっかりまとめたいと思う所存です。
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