リライト⑥~まとめ~ [リライト]
前回の最後に小説を読まないと、小説を過去に置きに行こうと思わないということを述べました。
今回はこの問題について考えると予告しましたが、少し方向性を変えます。
目次です。
1・多世界解釈
2・リライトのまとめ
3・今後の方針
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1・多世界解釈
残念ながら考察をして出た結論として、やはり小説を読まないと小説を過去に置きに行こうとは思わないということでした。
そこは無限ループになっているかと思います。
リライトの世界観を無視して多世界解釈で図解するとわかりやすいかと思います。
多世界解釈をする時点で根本的な解決にはなっていませんが、一応ということで載せておきます。
多世界解釈について以前の記事では過去に干渉できるや変わるのは世界のほうだなどという説明をしていました。
読んで字の如く多世界なので、世界がいくつも存在しており、自分たちが生きている、もしくは存在している世界はそのたくさんある中のひとつであるというイメージです。
また多世界解釈とそうでない世界の話をしますが、わかりやすいように線路を用いることにします。
線路はあの線路です。あの電車が走るために必要な構造物です。
絵はお察しください。
伝わればいいんです
線路が世界だと思ってください。
多世界解釈は線路の分岐があります。
あります、というかできます。
そうでない世界は線路は1本しかありません。
決められたレールの上を走ることしかできません。
親殺しのパラドックスを線路を使って説明しますと、下図のようになります。
親を殺そうとした際に、助かればαに、助からずに亡くなった場合はβに、と世界が分岐します。
Aさんは親が助かればαの世界に、助からずに亡くなった場合はβの世界に飛ばされます。
過去から現在に戻ってきたときに分岐が起こるかもしれません。
(戻ってきて変化がなければ親は助かり、親が居ないなどの変化があった場合は親は亡くなった、等)
これをリライトの世界について考えてみると下図のようになります。
(a)は1992年に「時を翔ける少女」が存在していればリライト中の世界に、存在していなければ(b)の世界に分岐する分岐点を示しています。
(b)はリライトが引き起こされた際にリライトが完了して友恵だけの世界になったリライト後の世界と、リライトが引き起こされた影響で夏の物語が始まるリライト中の世界に分岐する分岐点。
(c)は閉ざされた世界、無限ループの世界を表しています。
お気付きでしょうか?
(a)の分岐を引き起こすためには(b)のリライトが必要なのです。
そして(b)のリライトが引き起こされた際に(c)のループが発生します。
さらに(c)のループがないと(a)の分岐は起きません。
問題は(a)なのです。
リライト前の世界にどんな理由かはさて置いて、「時を翔ける少女」が存在するならすべて上手くいきます。
とにかくリライト前の世界にポンと突然「時を翔ける少女」が出てきたら辻褄が合います。
残念ながらそんな上手い話はありません。
これが個人的に1番の問題点だと思っています。
リライト前の世界に「時を翔ける少女」が突然現れることはないはずなのですが。
しかし現れなければ夏の物語は始まらない。
色々考察してたどり着いた終着点はここでした。
多世界解釈だからここで結論出してもしょうがないじゃん、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、多世界解釈でない世界で言うなら「リライト前の世界からリライト中の世界に遷移するきっかけが見つからない」という問題になります。
だいぶ頭がこんがらがってきたので、この辺にしておきます。
多世界解釈についてですが、個人的には気に入っています。
これが正解なのではないかと思ってしまうくらいで、考察するときもその解釈を前提にしたりもします。
しかし、保彦が過去の自分には接触できない、と断言してしまっているのでリライトの作中は多世界解釈ではないとこちらも断言しておきます。
2・リライトのまとめ
ここまでリライトについて書いてきたわけですけれども、次の記事からリビジョンに入ろうと思います。
本当に次の記事からリビジョンについて書くかどうかは置いておいて、一旦リライトについてまとめようと思います。
リライトの結論は、一言で言うなら友恵の一人勝ちです。
今までのいじめの仕返しとして、クラスメート全員が体験した楽しい夏の物語と保彦を自分だけのものにしました。
このリライトという作品の魅力は多々あります。
個人的には
1992年の章で移り変わる一人称
同窓会での怒涛のネタばらし
最後の一行
これらが好きです。
まず一人称については、誰もが「ん?」と思うポイントでしょう。
そもそも登場人物が多めで、さらに苗字と名前の両方が混在して出てくるため、苗字と名前の整合性が取れないという人もいるみたいです。
名前で混乱しててはいけませんね。
もっと混乱するべき場所がありますので。
伏線を張ることはもちろん、淡々と物語が進んでいくところにも魅力があります。
1992年の章の最後にあきらかに違う名前を呼ばれたにもかかわらず、2002年の章では毎回淡々と美雪が一人称になっています。
これがまた狂気性を加速させています。
最後のネタばらしのために淡々と伏線を張りまくる1992年の章は魅力にあふれています。
次にその怒涛のネタばらしですが、これは賛否両論ですね。
「一気に説明するのはどうかと思う」
「ストーリー立てて説明したほうが良いのでは」
などという意見を目にします。
しかし、私は声を大にして主張します。
やはり茂の演説はあの一気に説明するやり方が1番であると。
リライトはバッドエンドであり、さらに最後にはそれまで張り詰めていた伏線を回収する必要もあります。
どちらかというと伏線を張っているときは割と緩やかだったと思います。
そして演説で怒涛のネタばらしという名の伏線回収を行い、最終的にはバッドエンドです。
個人的にはジェットコースターのイメージです。
訳もわからないままジェットコースターに乗せられて、伏線を見つけるたびに上昇していく。
気付けば頂上まで連れて来られ、「やめてくれ」と抗議しても聞く耳持たずそのまま垂直に落下。
最後にはレールが途切れて地面に激突、といったところでしょうか。
演説を聞いて不安や恐れを感じるクラスメートたちですが、新たな情報を間髪入れずに短時間で出すことでその恐れを増幅させているのではないかと考えています。
もちろん読者自身も始めて読むときは、その次々と発覚する情報に対する理解が追いつきませんが、それでもとにかく恐ろしいことが起きているということがわかるので、理解してもらうよりその恐ろしさを伝えたかったのではないかと考えています。
私は始めて読んだとき、本当にジェットコースターに乗っている気分で読み進めていました。
そして怒涛のネタばらしが終わった所で、友恵のタイムリープです。
最後の一行のインパクトたるや、凄まじかったですね。
あれは友恵のリライトが成立した段階でクラスメートの記憶が改竄されるので、それより未来のことは書かれないことを意味しているのだと思います。
さらに最後のタイムリープまでの3ページの間にラベンダーの香りという言葉が5回も書かれています。
そしてその間隔も短くなっていきます。
これがまた狂気性を加速させていて良い味出しているなぁと読むたびに感心します。
ウルトラマンのカラータイマーの点滅がだんだん早くなると焦りを感じるのと同じで、間隔を狭めながら何度も同じ表現をすることは焦りや狂気に繋がると考えています。
もはや私はこのラベンダーの香りという言葉を見るだけであの場面が思い浮かびます。
最後にもうひとつ、リライトの魅力としてやはりその時系列の複雑さが挙げられます。
世の中には数多くの時間ものや時空ものの作品がありますが、リライト並みに過去へ未来へ行ったり来たりする作品はそうないのではないかと思っています。
時系列が複雑であればあるほど考える時間が多くなり、その分だけこの小説にかける時間も多くなります。
小説1冊でここまで楽しめてしまうのもまた魅力ですね。
3・今後の方針
最初の最初に述べたように、リアクトで発覚するのですがリライトは実際に起きた事柄ではありません。
なのでパラドックスだらけでも別にいいと言ってしまえばそうなのですが。
次のリビジョンからは実際に起きたこととして扱われていますので、リビジョン、リアクト、リライブ、と連続した作品になっています。
なので3つ同時進行で考えることも可能ではありますが、多分私が挫けます。
ということでひとつひとつ考えていくことが妥当であると判断し、次はリビジョンを考えていきます。
当然といえば当然ですね。
できれば最後に3つ同時進行で考えたいとも思っています。
いつになることやら
改めてしっかりとリビジョンを読んでから考察に入ろうと思っています。
少し時間が空くかと思いますが、その間にリライトについて疑問に思ったことがありましたらコメントください。
自分なりの考えでよろしければ回答させていただきます。
私も自信のない考察ばかりなので、他人の考えを聞いて筋が通っていたらあっさりと考えを改めます。
一応ここは個人的な考察を独り言のように載せるブログなので偉そうに断言している点もありますが、もし掲示板などがあったら自分は書き込まずに見ているだけだと思います。
他人の意見もたまには聞いてみたいなと思っています。
多世界解釈あたりの専門的なことは聞かないでください
そういうものだと思ってなんとなくのイメージで説明しているので
真面目に研究なさっている方々には申し訳ないと思っています、少しだけ
ということで今回でリライトの考察を一旦終了します。
また書きたいことが出てきたら単発で入れていくかもしれません。
ではまた次のリビジョンで。
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今回はこの問題について考えると予告しましたが、少し方向性を変えます。
目次です。
1・多世界解釈
2・リライトのまとめ
3・今後の方針
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1・多世界解釈
残念ながら考察をして出た結論として、やはり小説を読まないと小説を過去に置きに行こうとは思わないということでした。
そこは無限ループになっているかと思います。
リライトの世界観を無視して多世界解釈で図解するとわかりやすいかと思います。
多世界解釈をする時点で根本的な解決にはなっていませんが、一応ということで載せておきます。
多世界解釈について以前の記事では過去に干渉できるや変わるのは世界のほうだなどという説明をしていました。
読んで字の如く多世界なので、世界がいくつも存在しており、自分たちが生きている、もしくは存在している世界はそのたくさんある中のひとつであるというイメージです。
また多世界解釈とそうでない世界の話をしますが、わかりやすいように線路を用いることにします。
線路はあの線路です。あの電車が走るために必要な構造物です。
絵はお察しください。
伝わればいいんです
線路が世界だと思ってください。
多世界解釈は線路の分岐があります。
あります、というかできます。
そうでない世界は線路は1本しかありません。
決められたレールの上を走ることしかできません。
親殺しのパラドックスを線路を使って説明しますと、下図のようになります。
親を殺そうとした際に、助かればαに、助からずに亡くなった場合はβに、と世界が分岐します。
Aさんは親が助かればαの世界に、助からずに亡くなった場合はβの世界に飛ばされます。
過去から現在に戻ってきたときに分岐が起こるかもしれません。
(戻ってきて変化がなければ親は助かり、親が居ないなどの変化があった場合は親は亡くなった、等)
これをリライトの世界について考えてみると下図のようになります。
(a)は1992年に「時を翔ける少女」が存在していればリライト中の世界に、存在していなければ(b)の世界に分岐する分岐点を示しています。
(b)はリライトが引き起こされた際にリライトが完了して友恵だけの世界になったリライト後の世界と、リライトが引き起こされた影響で夏の物語が始まるリライト中の世界に分岐する分岐点。
(c)は閉ざされた世界、無限ループの世界を表しています。
お気付きでしょうか?
(a)の分岐を引き起こすためには(b)のリライトが必要なのです。
そして(b)のリライトが引き起こされた際に(c)のループが発生します。
さらに(c)のループがないと(a)の分岐は起きません。
問題は(a)なのです。
リライト前の世界にどんな理由かはさて置いて、「時を翔ける少女」が存在するならすべて上手くいきます。
とにかくリライト前の世界にポンと突然「時を翔ける少女」が出てきたら辻褄が合います。
残念ながらそんな上手い話はありません。
これが個人的に1番の問題点だと思っています。
リライト前の世界に「時を翔ける少女」が突然現れることはないはずなのですが。
しかし現れなければ夏の物語は始まらない。
色々考察してたどり着いた終着点はここでした。
多世界解釈だからここで結論出してもしょうがないじゃん、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、多世界解釈でない世界で言うなら「リライト前の世界からリライト中の世界に遷移するきっかけが見つからない」という問題になります。
だいぶ頭がこんがらがってきたので、この辺にしておきます。
多世界解釈についてですが、個人的には気に入っています。
これが正解なのではないかと思ってしまうくらいで、考察するときもその解釈を前提にしたりもします。
しかし、保彦が過去の自分には接触できない、と断言してしまっているのでリライトの作中は多世界解釈ではないとこちらも断言しておきます。
2・リライトのまとめ
ここまでリライトについて書いてきたわけですけれども、次の記事からリビジョンに入ろうと思います。
本当に次の記事からリビジョンについて書くかどうかは置いておいて、一旦リライトについてまとめようと思います。
リライトの結論は、一言で言うなら友恵の一人勝ちです。
今までのいじめの仕返しとして、クラスメート全員が体験した楽しい夏の物語と保彦を自分だけのものにしました。
このリライトという作品の魅力は多々あります。
個人的には
1992年の章で移り変わる一人称
同窓会での怒涛のネタばらし
最後の一行
これらが好きです。
まず一人称については、誰もが「ん?」と思うポイントでしょう。
そもそも登場人物が多めで、さらに苗字と名前の両方が混在して出てくるため、苗字と名前の整合性が取れないという人もいるみたいです。
名前で混乱しててはいけませんね。
もっと混乱するべき場所がありますので。
伏線を張ることはもちろん、淡々と物語が進んでいくところにも魅力があります。
1992年の章の最後にあきらかに違う名前を呼ばれたにもかかわらず、2002年の章では毎回淡々と美雪が一人称になっています。
これがまた狂気性を加速させています。
最後のネタばらしのために淡々と伏線を張りまくる1992年の章は魅力にあふれています。
次にその怒涛のネタばらしですが、これは賛否両論ですね。
「一気に説明するのはどうかと思う」
「ストーリー立てて説明したほうが良いのでは」
などという意見を目にします。
しかし、私は声を大にして主張します。
やはり茂の演説はあの一気に説明するやり方が1番であると。
リライトはバッドエンドであり、さらに最後にはそれまで張り詰めていた伏線を回収する必要もあります。
どちらかというと伏線を張っているときは割と緩やかだったと思います。
そして演説で怒涛のネタばらしという名の伏線回収を行い、最終的にはバッドエンドです。
個人的にはジェットコースターのイメージです。
訳もわからないままジェットコースターに乗せられて、伏線を見つけるたびに上昇していく。
気付けば頂上まで連れて来られ、「やめてくれ」と抗議しても聞く耳持たずそのまま垂直に落下。
最後にはレールが途切れて地面に激突、といったところでしょうか。
演説を聞いて不安や恐れを感じるクラスメートたちですが、新たな情報を間髪入れずに短時間で出すことでその恐れを増幅させているのではないかと考えています。
もちろん読者自身も始めて読むときは、その次々と発覚する情報に対する理解が追いつきませんが、それでもとにかく恐ろしいことが起きているということがわかるので、理解してもらうよりその恐ろしさを伝えたかったのではないかと考えています。
私は始めて読んだとき、本当にジェットコースターに乗っている気分で読み進めていました。
そして怒涛のネタばらしが終わった所で、友恵のタイムリープです。
最後の一行のインパクトたるや、凄まじかったですね。
あれは友恵のリライトが成立した段階でクラスメートの記憶が改竄されるので、それより未来のことは書かれないことを意味しているのだと思います。
さらに最後のタイムリープまでの3ページの間にラベンダーの香りという言葉が5回も書かれています。
そしてその間隔も短くなっていきます。
これがまた狂気性を加速させていて良い味出しているなぁと読むたびに感心します。
ウルトラマンのカラータイマーの点滅がだんだん早くなると焦りを感じるのと同じで、間隔を狭めながら何度も同じ表現をすることは焦りや狂気に繋がると考えています。
もはや私はこのラベンダーの香りという言葉を見るだけであの場面が思い浮かびます。
最後にもうひとつ、リライトの魅力としてやはりその時系列の複雑さが挙げられます。
世の中には数多くの時間ものや時空ものの作品がありますが、リライト並みに過去へ未来へ行ったり来たりする作品はそうないのではないかと思っています。
時系列が複雑であればあるほど考える時間が多くなり、その分だけこの小説にかける時間も多くなります。
小説1冊でここまで楽しめてしまうのもまた魅力ですね。
3・今後の方針
最初の最初に述べたように、リアクトで発覚するのですがリライトは実際に起きた事柄ではありません。
なのでパラドックスだらけでも別にいいと言ってしまえばそうなのですが。
次のリビジョンからは実際に起きたこととして扱われていますので、リビジョン、リアクト、リライブ、と連続した作品になっています。
なので3つ同時進行で考えることも可能ではありますが、多分私が挫けます。
ということでひとつひとつ考えていくことが妥当であると判断し、次はリビジョンを考えていきます。
当然といえば当然ですね。
できれば最後に3つ同時進行で考えたいとも思っています。
改めてしっかりとリビジョンを読んでから考察に入ろうと思っています。
少し時間が空くかと思いますが、その間にリライトについて疑問に思ったことがありましたらコメントください。
自分なりの考えでよろしければ回答させていただきます。
私も自信のない考察ばかりなので、他人の考えを聞いて筋が通っていたらあっさりと考えを改めます。
一応ここは個人的な考察を独り言のように載せるブログなので偉そうに断言している点もありますが、もし掲示板などがあったら自分は書き込まずに見ているだけだと思います。
他人の意見もたまには聞いてみたいなと思っています。
多世界解釈あたりの専門的なことは聞かないでください
そういうものだと思ってなんとなくのイメージで説明しているので
真面目に研究なさっている方々には申し訳ないと思っています、
ということで今回でリライトの考察を一旦終了します。
また書きたいことが出てきたら単発で入れていくかもしれません。
ではまた次のリビジョンで。
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2015-04-15 04:08
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