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リビジョン④~リビジョンの影響~ [リビジョン]



リビジョン4回目です。

そろそろまとめたいと思っています。

次回くらいにはまとめられるかな、といった具合でしょうか。


今回はヤスヒコが1000年前に飛ばされることになったきっかけである保彦との邂逅に焦点を当てます。



目次です。


1・リビジョンの影響力

2・まったく別の視点から伝えられる事の経緯

3・次回について






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1・リビジョンの影響力


今回のメインテーマでもあり、小説のタイトルにもなっているリビジョン

そもそもそれは何だったかといいますと、リビジョン①でも述べたように



ビジョンの内容を正当化するために現在が変化すること


でした。

今回はこれについて扱うので説明を加えます。

その前にリビジョンが発生したときの状況を整理しておきます。


まず『霞』にとっての現在は1992年秋ですが、清華を産む坂口霞(峠にて2人の霞のビジョンに突然現れた霞)にとっての現在は1992年夏です。

1992年夏、坂口霞は静岡本店の書店に出向しており、そこで保彦と桜井に出会います。

もちろん坂口霞は保彦のことを知らないのですが、彼に対して運命という感情を抱きます。

桜井から尋ねられた本について何もわからなかったため、坂口霞はビジョンを使って2人があの本にめぐり合うビジョンを視ようとします。

しかしそんな未来はないので時が狂い始めるのでした。


この「2人があの本にめぐり合うビジョン」を視ようとし、さらに質問や要求を重ねていくことでリビジョンが発生してしまいます。

まずこのビジョンは失敗に終わります。

鏡の意思として「そんなものはない」と判断し、未来を視ようとすることをやめました。


次に坂口霞はあの本の切れ端がどの本か教えてと鏡に頼みます。

当然、出版された本だと思っているのでどこかには存在すると思うのは当たり前であると誰しもが思います。

このビジョンを始めるに当たって間違ったことをしているものは何もないわけです。

出版されているであろう本を探す坂口霞も、それを探そうとする鏡も。

間違っているのはのほうでした。


本を探すに当たって鏡はさまざまな時間軸を探し回り、1992年の夏にタイムリープを繰り返す保彦を発見し、さらに大量の本を発見しました。

この現在から見て保彦がタイムリープを繰り返している時期は過去に当たるのですが、ビジョンは過去も見ることができるので問題ないと思われます。

そのビジョンを視た鏡はまずその本を坂口霞に見せた桜井の未来を追います。

しかし成長した桜井が夜道で男に撲殺されるビジョンを見せ、そこで未来が途切れることがわかったのでそれ以上の追及をやめました。

この次に追求したのが保彦でしたが、ここで時間軸の問題点が発生してしまいます。


前回の記事でお見せしたこの時間軸の図。

図1.png


坂口霞の時間軸から外れた本来ありえないはずの時間軸までも探してしまったために大変な事態を引き起こします。

『霞』の時間軸において未来で高熱によって苦しんでいるヤスヒコを映し出したのです。

当然、ヤスヒコと保彦は同一人物ですので、未来で高熱によって苦しんでいる保彦がいなければおかしいだろう、という判断によって現在の保彦のバリアが解除されます。


これがリビジョンです。

ビジョンの内容を正当化するために現在が変わります。

正当化というのはこの場合ですと、未来で高熱によって苦しまなければならないのに現在では元気に過ごしているという矛盾を解決することに当たります。



さらに別の時間軸、具体的には今鏡が視た『霞』の時間軸において指輪がどうだのと時間軸をいじっているため、本を探すというプロセスに加えていじった時間軸の対処までやらないといけなくなります。

これに耐え切れなくなった鏡は坂口霞の現在とビジョン内の『霞』の現在を混同させてしまいます。

この影響が書店にいた人々の身体が透けていくというものです。

坂口霞の現在と『霞』の現在を比べ、間違っているものを修正しようとした影響です。


作中で「未来はひとつのはずなのに、複数ある」という表現がされていますが、これは坂口霞の未来『霞』の未来の2つあるということを示しているのではないかと思われます。

これを見る限り私個人のリビジョンの世界観であるあの図が合っているのでは、と少し自信が持てます。


そしてこのリビジョンの影響が次に説明するヤスヒコを1000年前に送り飛ばすきっかけになります。




2・まったく別の視点から伝えられる事の経緯


リビジョンの影響で坂口霞の現在に『霞』の現在が混同してしまいました。

このリビジョンの最大の影響は坂口霞の現在にヤスヒコが存在してしまったことでしょう。


坂口霞は結婚して清華という女の子を産むのでヤスヒコと関わることは絶対にありえません

しかしこの時間軸では保彦が存在するため同じ人間が2人存在することになります。

別に同じ人間が同じ時間軸に存在していても問題はありませんが、接触は絶対にできないように時の強制力が働きます。

坂口霞だけの時間軸であれば出会うことのなかった2人が、坂口霞のリビジョンの影響で『霞』の時間軸と混同してしまったために県立病院で邂逅を果たしてしまいます。


保彦はヤスヒコと出会う直前に何かを感じ取って逃げようとタイムリープの薬を取り出しますが、手が滑って高橋先生(薬剤師)の手に渡ってしまいます。

そこで時の強制力による大地震が発生し、高橋先生の手からヤスヒコを口へと薬が入ってしまいます。

これがヤスヒコが1000年前に飛ばされた真相です。

普通に読んでいればこの辺はわかると思いますが、一応結果を載せておきます。


結果的に『霞』の時間軸も坂口霞の時間軸と混同されているのでヤスヒコが消えた事実も共通となってしまい、『霞』の前からヤスヒコが消えました




3・次回について


思いのほか今回でリビジョンの影響について説明できたのでやはり次回でまとめられそうです。

また書きたいことが出てきたら追加で個別にリビジョンの記事を書くことはあるかもしれませんが、一応次回で区切りということで。

次回は秋夜叉エピローグについて色々考え、まとめて、リビジョンの考察を終われるかと思います。

クライマックスにおいても大事な事実がたくさんありますのでちゃんと考えていきたいです。



リビジョンが終わったらついにリアクトです。

正直、自信がありませんがゆっくりじっくり考えていきたいと思っています。

学校の宿題でもレポートでもないので提出期限など考えずにのんびり進めていくスタイルでこれからも記事を書いていきます。












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コメント 1

仮名

はじめまして。作者ですか?というくらいにご理解されていてすごいです。おかげさまで自分も少しずつ理解できてきましたが、どうも「ヤスヒコと保彦は同一人物」がよくわかっていません。319年の年の差がありますがどう見たらいいのかさっぱりです・・・。
もしよろしければご教授いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
by 仮名 (2020-05-28 12:23) 

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